2008年12月28日(日) 10時38分
好業績企業の底打ち銘柄に注目=リテラ・クレア証券 清水氏(サーチナ)
2008年の株式市場もいよいよ今週で幕。目先の動向をリテラ・クレア証券情報部部長兼インターネット企画部部長の清水洋介氏に聞いた。
——年末年始の日本株の見通しについてお聞かせください。
大きなトレンドは出にくい状況にあると思います。12月中旬に米国と日本が利下げに踏み切った結果、先行した欧州と合わせて、世界的に金融が緩和されました。そのため、この金融緩和の効果は本当にあるのか、あるとすればどの程度期待できるのかという様子見の状態が年明けにかけて続くと思うので、しばらくはあまり大きな動きが見られないと考えます。
また、2007年には11月ごろにサブプライムローン問題にケリがついたと思ったら、年明けにモノラインの問題が出てきました。この記憶も生々しく残っているでしょうから、やはりポジンションは膨らませにくい。それだけに、年明けに特に大きな問題が出てこなければ、逆に買い戻しの動きも見られそうです。
当面の日経平均のレンジは、狭く見た場合で8300円から8700円、広くても9500円から7800円というところでしょう。
——「大きな問題」としてはどんなことが想定されますか?
まず一つは、たとえば先日のトヨタのように、機関投資家以外の会社から想像を超えた業績の悪さが発表されること。もう一つは、いくつかの大学から公表された、運用の失敗による巨額損失のような事態。年金は3月決算なので、これから想定もしなかったニュースが飛び出してもおかしくありません。
とはいえ、マーケットには行き過ぎの部分があるもの。それが綾なのかトレンドなのかを見極めるようにすれば、大ケガはしないと思います。私は、テクニカルでは特に一目均衡表をよく見ているのですが、そろそろ変化が起きそうです。トヨタの赤字見通しにしても、ストップ安には至りませんでしたからね。ヒントはいろいろあるのではないでしょうか。
——いま、注目できるセクターは?
セクターというよりも、業績が良いといわれていた銘柄の中にはすでに底打ちしたものもありそう。まずはそれらを丹念に拾うことです。また、2008年夏ごろまでは各種資源の高騰でインフレ懸念がささやかれていましたが、ここにきて原油や穀物の価格が下落し、再びデフレかとさえいわれています。これに円高という要素も加わっているのに、モノの価格が下がったという話はほとんど聞こえてきません。これも銘柄選択の大きなヒントになるはずです。
——最後に、2009年の見通しを。
日経平均の節目は9500円。これを1—3月期に抜けるのが良いパターンです。ベストでは14500円まで戻るのでは。最悪でも9000円は行くと思います。もちろん、7000円を割り込んでずるずると5000円〜6000円まで下げる可能も捨てきれません。8000円から10000円というのが妥当なレンジでしょう。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)
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