鳥取大乾燥地研究センター(鳥取市)は28日までに、廃ガラスを原料に鳥取県のリサイクル会社が開発した土壌改良材を使うと、砂地での野菜収穫量が増えることを確認した。
保水性が非常に高く、水を地中に閉じ込めて逃さない特徴があり、砂漠や乾燥地の農業で活用が期待できる。実用化に向け、センターは来年2月までの予定で、アフリカ・サハラ砂漠南西のモーリタニアでトマトを栽培する実証実験を進めている。
土壌改良材は「鳥取再資源化研究所」(鳥取県北栄町)が、粉々にした廃ガラスなどとカルシウムを混ぜ加工した「ポーラスアルファ」。水を吸うと粉末から固体に変化し、地中に水が浸透しにくくなる。
効果を確かめるため、センターは砂地で野菜の一種フダンソウを栽培。ポーラスアルファを使うと、使わない場合と比べ3倍の収穫量があった。
従来の土壌用保水材は使い続けると効果が低下する欠点があったが、ポーラスアルファは効果が変わらず、何度でも利用できる。地中に重金属などの有害物質が溶け出しにくく環境にも優しいという。