福島県いわき市の老人介護施設「ROSE倶楽部粒来(つぶらい)」(2階建て)で2人が死亡、3人が負傷した火災で、1階リネン室の煙感知器が最初に作動していたことが27日、いわき東署と消防の調べで分かった。同署などは、燃え方の激しいリネン室が火元とみている。
同署などによると、建物延べ約380平方メートルのうち1階約100平方メートルを焼損。リネン室にはタオルや消毒用のエタノールなどが置かれていた。
死亡した久野トシヱさん(88)と水谷タキさん(90)ら利用者8人は当時、2階の各部屋で寝ていた。死傷した5人はベッドの上などで救助され、残る3人と、2階の宿直室で起きていた当直の女性職員は自力で逃げたという。同署は出火原因や避難状況を調べている。
この施設は2階から毛布を使って利用者を運ぶ避難訓練をしているが、県社会福祉協議会が10月、「夜勤は職員が1人になるので職員が災害対応に不安を抱いている」と指摘していた。
(共同)