フィギュアスケートの全日本選手権最終日は27日、長野市のビッグハットで行われ、女子は世界女王の浅田真央(愛知・中京大中京高)が合計182・45点でショートプログラム(SP)2位から逆転し、3連覇を果たした。
浅田真はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度着氷したが、ともに回転不足と判定され、フリーも2位。SP5位のベテラン村主章枝(avex)がフリーで1位となり、178・59点で2位に入った。安藤美姫(トヨタ自動車)が174・09点で3位。
鈴木明子(邦和スポーツランド)が4位で、SP首位の中野友加里(プリンスホテル)はフリーでジャンプが乱れ、5位に終わった。
アイスダンスはフリーを行い、キャシー・リード、クリス・リード組(川越ク)が、合計156・35点で2連覇した。
◆“究極”へ発展中
胸に右手をあて、天井を見上げた。「やっと今年が終わったという感じ。自分の中では満足している」。世界の頂点に立ち、女王として駆け抜けた2008年。全日本3連覇で締めくくった4分間の演技を氷上でかみしめた。
序盤にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を立て続けに挑んだ。演技後半の3回転サルコーが1回転になったが直後の2連続3回転ジャンプは気持ちを立て直して着氷した。目に見えたミスはサルコーの一つ。タラソワコーチがロシア語で賛辞をくれた。「マラリアス(素晴らしい)」と。
地力の差での優勝。二つのトリプルアクセルと2連続3回転ジャンプが回転不足と判定された。判定が厳しい今季の流れでは勝負のポイントにもなってくるが、修正できる範囲内。浅田もよく分かっている。「四大陸(選手権)までに直していきたい」
2月はバンクーバーの五輪会場で開かれる四大陸選手権、3月の世界選手権では連覇がかかる。心掛けることは、いつでも同じ。「自分の技をミスなくこなすことが目標」。究極の演技を追い求めて。
(中日新聞・中村彰宏)