【エルサレム28日共同=長谷川健司】イスラエル軍は二十八日、パレスチナ自治区ガザ地区を支配する強硬派ハマスの関連施設に空爆を続行、ロイター通信などによると、ガザの救急当局者は、二十七日からの空爆による死者が二百八十六人、負傷者は約九百人に達した、と述べた。イスラエル政府は二十八日の閣議で、地上戦などの軍事作戦拡大に向けてバラク国防相が予備役を招集することを承認した。
一方、ガザの武装勢力はイスラエル領に対して報復のロケット弾攻撃を本格化させ、ガザから約三十キロ北方のイスラエル中部の都市アシュドッドに初めて着弾した。紛争は一層拡大、長期化の様相を見せている。
国連安全保障理事会は二十八日、関係当事者に軍事行動の即時停止を求める声明を出した。
二十八日の空爆ではハマス内閣庁舎、治安施設など二十カ所以上を破壊した。新たな死者の中には二十七日の重傷者も含まれるとみられる。
ロイター通信によると、死者のうち少なくとも十数人は女性や子供。二十七日だけで二百人以上が死亡し、イスラエル軍の攻撃による一日のパレスチナ人死者数としてはイスラエル建国に伴う一九四八年の第一次中東戦争後、最悪規模という。
ガザの救急当局者は「麻酔薬や包帯、救急車の燃料などすべてが足りない」と嘆いた。
シリア在住のハマス指導者マシャル氏は二十七日夜、中東のテレビ局アルジャジーラで、パレスチナ人に「第三次インティファーダ(反イスラエル闘争)を呼び掛ける」と語った。第二次インティファーダは二〇〇〇年秋に始まり、〇七年末までにイスラエル、パレスチナ双方で計五千三百人以上が死亡した。
ヨルダン川西岸や東エルサレムでは二十七日、空爆に反発する若者らがイスラエル治安部隊と衝突。西岸ベツレヘムでは、抗議のためクリスマスツリーなどのイルミネーションが消された。