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2008年12月28日(日) 20時53分

<男子ゴルフ>遼君、マスターズ出場は? 「特別枠」に期待毎日新聞

 史上最年少の17歳で1億円プレーヤーとなるなど今季、男子ゴルフ界の話題を独占した石川遼の夢が、また一つかなう可能性が出てきた。米メジャー「マスターズ」への出場が実現するかもしれないからだ。プロ入り前から目標としている「マスターズ優勝」へ向け、大きな一歩を踏み出せるのか。招待状は年末年始にかけて、出場者のもとに届く。【和田崇】

 毎年4月、ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開かれるマスターズ・トーナメント。来春73回目となる「ゴルフの祭典」は、招待競技である点が全米オープンなど他のメジャーと大きく異なる。歴代優勝者や過去1年間の米ツアー勝者など一定の出場資格に加え、大会を主催するマスターズ委員会の裁量で国際選手を招く「特別枠」がある。

 日本勢では、22日発表された今季の最終世界ランキング32位で、「50位以内」という条件を満たす片山晋呉と、米ツアー賞金ランク13位(「30位以内」が条件)の今田竜二の2人に出場資格がある。石川は世界ランク60位と、資格を満たしていないが、特別枠の可能性は残っている。

 特別枠では08年に世界ランク79位のプラヤド・マークセン(タイ)と81位のジーブ・ミルカ・シン(インド)が、04年には178位の張連偉(中国)が招待された。米ツアーに詳しい小山武明プロ(44)は「世界ランクで石川君より下の選手が選ばれており、17歳という話題性も加味すれば招待される可能性は高い」と予測する。

 一方で、「ゴルフの世界的普及が目的の特別招待は、過去の例でも『プロゴルフ後進国』の選手が対象。既に国民スポーツとして根付く日本から、招待を受ける可能性は低いのでは」と話すのは、在米ゴルフジャーナリストの舩越園子氏(45)。「日本を一歩出れば『RYO ISHIKAWA』の名はほとんど知られていないのが現実」とも指摘する。

 ただ、特別枠から外れても、大会直前の世界ランク50位以内という出場資格も残っている。世界ランクは、世界各ツアーの大会ごとにポイントを設定し、過去2年間の獲得点数を出場試合数で割った平均値で序列をつける。

 今季の石川はマイナビABCの優勝に加え、公式戦の日本オープン、国際色の強いダンロップ・フェニックスで2位となってポイントを稼ぎ、昨年末の434位から急上昇した。出場試合数が40に満たない場合、40とみなして割り算するため、2年間で32試合しか出ていない石川は、ポイント獲得が即、平均値上昇につながる。舩越氏は「特別枠以外で出場を狙うなら、アップ率の高い今こそが最大のチャンス」と話す。

 ただし、日本ツアーはマスターズの終了後に開幕するため、国内でのランク上昇は不可能だ。小山プロは「(1月開幕の)米ツアーに出てポイントを稼ぐのが現実的」と指摘。2月には世界ランク上位64人が対象のアクセンチュア・マッチプレー選手権が控えており、舩越氏も「米ツアーを含めた来春までのスケジュール設定が鍵を握る」とみている。

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