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2008年12月28日(日) 19時50分

減反政策見直しへ、廃止を含め石破農相が示唆読売新聞

 石破農相は28日、都内で記者団に対し、コメの作付面積を抑えて価格維持を図る減反政策を見直す考えを明らかにした。

 コメの生産・流通への政府の関与を弱める方向にかじを切るもので、2007年夏の参院選で自民党が敗北する以前の政策に近い。ただ、自民党や農協の出方次第では、難航が予想される。

 石破農相は28日午前、都内で記者団に対し、「農業の持続可能性が失われている原因の一つは生産調整(減反)」と指摘した。さらに、減反をやめた場合のコメ価格への影響を試算したうえ、廃止も含めて「いろいろな角度から早急に検討する必要がある」と述べた。2009年夏までに一定の結論を出したい意向だ。

 減反をやめれば過剰生産でコメの価格が下落し、農水省が育成している大規模農家ほど悪影響を受けることが想定される。このため、段階的な廃止や、所得維持のための安全網(セーフティーネット)の構築を検討する。

 減反は1971年から始まり、コメの作付面積を国や自治体が厳しく管理してきた。ただ、減反に参加しない農家にも価格維持の効果が及ぶことから、参加農家には不公平感が強い。そのため、2007年度から、国は生産量の目安を示すだけで、生産者側が実際の生産量を決める仕組みに転換した。

 しかし、過剰生産で07年産米の価格が一時大きく下落し、農家の反発を恐れた自民党の主導で、08年産米から再び国や自治体の管理が強まっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000031-yom-bus_all