2008年12月28日(日) 14時44分
銀行破綻、史上最悪規模に=08年、金融危機を反映−米国(時事通信)
【ニューヨーク28日時事】金融危機のあおりで、米国では今年、財務力が弱い中小規模の銀行の経営破綻(はたん)が続発した。12月20日までに破綻した25行の総資産は計3700億ドル(約33兆円)を突破。統計が残っている1934年以降では最悪の規模だ。
今年9月、証券大手リーマン・ブラザーズの破産法申請が引き金になった未曽有の混乱で、貯蓄貸付組合(S&L)大手のワシントン・ミューチュアルが米最大の銀行破綻を引き起こした。
その直後、米政府は大手金融機関に対する公的資金注入に踏み切り、金融システム崩壊を瀬戸際で食い止めたが、影響力の小さい地域銀行は事実上置き去り。破綻銀行数では年間最多だった1989年の534行に及ばないが、そうした混乱期を経て営業基盤を拡大した銀行の破綻が相次いだ。
地銀のビジネスモデルは、預金で集めたお金を住宅ローンなど小口融資に回して利ザヤを稼ぐ伝統的手法。景気と金融市場の変動の影響を受けやすく、米当局が経営を問題視する「破綻予備軍」は9月末時点で171行にも上った。
預金保険制度の拡充で預金者が損失を被る恐れは少なく、当局主導で健全行に破綻行を譲渡する手続きも迅速だ。だが景気の早期回復は見込めず「破綻は増える」(米エコノミスト)との見方が支配的。地銀受難の時代はまだまだ続きそうだ。
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