「円天」と称する疑似通貨を発行し、高配当を約束して違法に金を集めたとして、出資法違反容疑で家宅捜索を受けた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京、破産手続き中)が、全国の会員から集めた金額は二千数百億円に上ることが二十七日、警察当局の調べなどで分かった。
悪質商法の集金額では、金のペーパー商法による詐欺事件として社会問題になった豊田商事の約二千億円を超え、過去最高となる。
警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部はL&Gの
警視庁などによると、L&Gは一九八七年に設立。当初は販売代理店を通じて布団や健康食品の販売をしていたが、二〇〇一年ごろから「百万円を預ければ三カ月ごとに9%支払う」との触れ込みで「協力金」名目として出資金を集めた。
一方で、同社が主催するバザーやインターネット上の市場で使える「円天」を発行し、「現金を十万円以上預ければ、毎年同額の円天を支払う」と宣伝し「保証金」名目でも金を集めた。
L&Gが東京地裁に提出した資料によると、「協力金」などの預かり金残高は、〇二年六月期には約六億四千万円だったが、〇七年六月期には約七百億円まで膨らんだ。
L&Gは〇七年一月、「協力金」の現金配当を凍結し、代わりに円天で支払うと会員に通知。同年九月には円天での支払いも停止した。
合同捜査本部は〇七年十月、四人から約千七百万円を集めた出資法違反容疑(預かり金の禁止)でL&G本社などを一斉捜索。東京地裁は同年十一月にL&G、〇八年一月には波会長の破産手続き開始を決定している。