2008年12月28日(日) 08時01分
【外信コラム】イタリア便り 良い夢を食うバク(産経新聞)
誰だって宝くじでも買って新年早々2億円を当てて、不景気を吹き飛ばしたいと思うだろう。イタリアでは10月に、90の数字から任意に6つの数字を選んで当てるスーペル・エナロットで1億ユーロ(約125億円)の賞金を手にした幸運な者が出た。
先日、日本から来た友人と爆発的な売れ行きのこのくじの「的中率」の話になった。私が説明した。
「このくじが初めて売り出されたとき、確率の専門家は『的中率は6億2200万分の1と可能性はゼロに近いから、買う人は誰もおるまい』と断言した。だが、不思議にも過去4年間に限ってみても、毎年1人は6000万ユーロ(約75億円)以上を手にする者がいるのだよ」
すると友人はこう言った。
「くじとは確率に関係なく賞金額が高ければ高いほど売れるものだそうだよ。確率の点で言えば、日本の宝くじの方がずっと高い」
それではスーペル・エナロットで誰が一番もうけてきたのかと、賭け金である売り上げの配分率を調べてみた。
すると売上金100の配分率は、なんと国が50、賞金が38、売店が8、くじ引き運営会社が4であるという。
昔の中国人は人々の悪夢を食う動物「バク」の存在を想像したが、今の国家はどこの国家でも多かれ少なかれ庶民の良き夢を食うバクである。(坂本鉄男)
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