米カリフォルニア州ロサンゼルス東部のコビナ市内で24日夜、サンタクロースの姿をした男がクリスマスイブのパーティーを開いていた元妻の親族宅に押し入り、拳銃を乱射した。銃撃と放火により、元妻ら計8人が犠牲となった。元妻との離婚が成立したばかりだった男は、逃走した後に自殺した。聖夜の悲劇に全米が衝撃を受けている。
扉の向こうに待っていたのは、プレゼントではなく拳銃を手にしたサンタクロースだった。
24日午後11時30分頃。静かなイブを迎えていた郊外の町に突如、惨劇は起きた。サンタの衣装に身を包んだブルース・パルド容疑者(45)は親族宅の玄関をノックし、ドアを開けた8歳の少女に向けていきなり発砲した。さらに、逃げまどう約25人のパーティー客に向かって無差別発砲を開始。3人が重傷を負った。
2丁の拳銃とは別に、可燃性の液体を振りかけた発火装置をクリスマスプレゼントのように包装して所持していたパルド容疑者は、発砲を終えると放火した。2階建ての家は、高さ約12メートルにまで炎が達する火の海となった。現在までに、焼け跡から8人の焼死体が発見されている。遺体の損傷は激しく、身元の判明には時間がかかる見通しとなっている。
多くの被害者が発生したが、出迎えた少女は銃弾が顔面を貫通したものの、奇跡的に命を取りとめた。背中を撃たれた16歳の少女も命に別条はなかった。
放火を終えたパルド容疑者はサンタの衣装を脱いで逃走。犯行から約4時間が経過した25日未明、ロサンゼルス近郊の兄弟宅で拳銃を使って頭部を撃ち抜いて自殺した容疑者の遺体が見つかった。地元警察によると、同容疑者は1年前に結婚した元妻と離婚が先週成立したばかりで、その経緯に怒りを持っていたという。前科などはなかった。
惨劇の舞台となってしまったパーティーは毎年同じ家で開かれており、近くの住民がサンタにふんして登場するのが恒例となっていた。しかし、今年はサンタ役が遠方に引っ越したため不在だった。
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