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2008年12月27日(土) 01時14分

家裁決定取り消し、差し戻し=袴田死刑囚の後見開始申し立てで−東京高裁時事通信

 静岡県で1966年、一家4人が殺害された「袴田事件」で、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌死刑囚(72)=第2次再審請求中=は心神喪失状態だとして、姉秀子さん(75)が後見開始を申し立てた抗告審で、東京高裁(園部秀穂裁判長)は26日までに、申し立てを却下した東京家裁の決定を取り消し、同家裁に差し戻した。同日、弁護団が明らかにした。
 高裁決定によると、東京家裁は袴田死刑囚について「弁識能力が不十分で保佐開始の状態」と認定したにもかかわらず、裁量で保佐開始を認めなかったのは「結果として相当ではない」と指摘。審理が不十分だとして差し戻した。
 弁護団は袴田死刑囚は心神喪失と主張し、第2次再審請求は秀子さんが申立人となっている。一方、検察側は秀子さんは再審請求の資格はないと主張し、実体審理は行われていない。弁護団は「保佐開始が認められれば、保佐人には再審請求の資格があるので、実体審理に入ることが可能になる」としている。 

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