2008年12月27日(土) 10時09分
「帰らないので腹立った」 勝木容疑者、殺人で再逮捕(産経新聞)
千葉県東金市の路上で保育園児、成田幸満(ゆきまろ)ちゃん=当時(5)=が遺体で見つかった事件で、遺棄現場近くに住む、無職、勝木諒(りょう)容疑者(21)=死体遺棄容疑で逮捕=が、県警東金署捜査本部の調べに対し「殺すつもりで女の子を風呂の水に沈めた」と供述していることが26日、分かった。捜査本部は同日、殺人容疑で勝木容疑者を再逮捕した。
殺害の動機について、勝木容疑者は、自室にいた幸満ちゃんに帰るように促したが、帰らなかったために「腹が立った」などと供述しているという。
調べでは、勝木容疑者は9月21日午前11時20分ごろから午後0時25分ごろの間に、自宅にあげた幸満ちゃんを浴槽の水に沈め、窒息死させた疑い。
勝木容疑者は幸満ちゃんと面識はなかったとしており、事件当日に「初めて出会った」と説明。幸満ちゃんが自宅にいた経緯については「勝手についてきていた」と供述し、幸満ちゃんは勝木容疑者の部屋で本を読んでいたという。
勝木容疑者は逮捕直後は容疑を否認するなど、供述は変遷。このため千葉地検は簡易精神鑑定を実施したが、その結果、刑事責任は問えると判断している。
千葉地検は同日、死体遺棄容疑について、処分保留とした。
■なぜ自室に…残る謎
死体遺棄容疑での逮捕直後は、成田幸満ちゃんと会ったことさえも否定していた勝木諒容疑者。20日間の県警東金署捜査本部の調べの中で、徐々に事件時の様子を説明するようになり、動機も話し始めた。しかし、出会った経緯や自室に入れた経緯など、依然として謎は多く残る。
勝木容疑者は幸満ちゃんとの面識について、一貫して「なかった」と説明。出会ったのは事件当日が初めてで、「(自宅)マンション近くで何回か会った(顔を合わせた)」と話す。
その過程で、幸満ちゃんが後ろをついてくるようになり、勝木容疑者は「何度も帰るように言った(促した)」とする。帰宅して玄関ドアを開けた際も「後ろにいた」としている。
幸満ちゃんは自室で本を読み始め、一方で勝木容疑者は「DVDプレーヤーを操作していた」と具体的に当時の様子を話す。その後、外出でかいた汗を流すため、勝木容疑者は1人で風呂に入ったという。
口論になったのは、入浴後。「帰れ」「帰らない」とのやりとりが続き、幸満ちゃんが「無視した」場面もあったとする。
「『帰れ』と言ったのに応じなかったし、無視された。腹が立った」
これが勝木容疑者が供述する殺害の動機だという。
幸満ちゃんの遺体には争ったような跡はなかったが唯一、腕にアザがあった。帰らなかった幸満ちゃんを勝木容疑者は「無理矢理(腕を引っ張って)風呂場まで連れて行った」と説明。嫌がる幸満ちゃんを服のまま浴槽に沈めた。「殺すつもりだった」という。
ただ事件の経緯は勝木容疑者の供述のみ。幸満ちゃんの遺体には水を飲んだような跡がなかったほか、幸満ちゃんの毛髪や指紋など自室にいた物証さえも見つかっていないという。
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