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2008年12月27日(土) 10時08分

織田初V安全策取らず4回転/フィギュア日刊スポーツ

<フィギュアスケート:全日本選手権>◇26日◇長野・ビッグハット
 織田信成(21=関大)が、SPに続いてフリーでも首位となり、合計243・70点で初優勝を飾った。
 11月のNHK杯で復活優勝を遂げても泣かなかった織田の目が、真っ赤に潤んでいた。前日の夜は緊張で5時間しか寝られなかった。それでも今季急成長の小塚に17・76点の大差をつける初優勝。「この大会の優勝を目指してやってきた。すごくうれしい」と声を震わせた
 SPを終わって2位の小塚と9・05点差。フリーで4回転に挑戦しなくても、優勝は目前だった。しかし、逃げずに挑んだ。「緊張していてスピードが遅かった」。転倒はしたが、その後の最高の演技につなげた。酒気帯び運転で出場自粛というつらい時期を乗り越えた成長の跡を見せた。
 織田の気迫は最終演技者の小塚にプレッシャーとなった。SP終了後は「(小塚に)追われる気持ちがある」と明かしていた。世界選手権の代表も、GPファイナル2位の小塚は確実視されていた。先を越される気持ちもあったが、その不安を一掃する圧勝だった。
 今大会はエース高橋がケガで欠場した。その話になると織田の喜びの表情が一瞬、引き締まった。「周りの人も高橋選手がいる全日本で勝って本物と認めると思う」。そのチャンスは来季に持ち越したが、生まれ変わった織田が、再び世界に飛躍する時がやってきた。【吉松忠弘】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000018-nks-spo