2008年12月26日(金) 19時09分
ギニアのクーデター 国民は歓迎 民政への移行を期待(産経新聞)
【ロンドン=木村正人】現地からの報道によると、大統領死後、反乱軍がクーデターを起こし実権を握った西アフリカ・ギニアでは26日、国民が沿道で反乱軍を出迎え、声援を送った。政権の腐敗と貧困に不満を募らせてきた国民や野党はクーデターを支持している。首謀者のカマラ陸軍大尉は自ら大統領に就任するとともに、「2010年12月に大統領選を行う」と民政移行の方針を表明した。
国連やアフリカ連合(AU)、欧州連合(EU)、米国はクーデターへの非難を強めており、「来年前半の大統領選実施」(フランス)を求める声もある。カマラ大尉は27日、アフリカ、欧米諸国の代表やギニアの野党指導者らと会い、民政に移行するまでの手順を説明する考えだ。
ギニアはアルミニウム原料のボーキサイトの埋蔵量が世界の3分の1を占め、金やダイヤモンドもとれる資源大国だが、24年間政権を掌握してきたコンテ大統領の下で腐敗が横行。国民の大半が1日1ドル(約90円)以下の貧困生活を強いられ、ゼネストが頻発。政権による弾圧がエスカレートしていた。
コンテ大統領は22日に死去。カマラ大尉がその数時間後にクーデターを起こし、首都コナクリの国営テレビ局を占拠。3日後、大統領側近のスアレ首相や閣僚ら約30人が同大尉への降伏と忠誠を表明した。クーデター後に民政に移行したガーナやマリの再現を期待する声が国内外で強まっている。
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