福山市伊勢丘で25日未明に起きた民家火災で、焼け跡から3人の遺体が見つかった。クリスマスを襲った惨事に、閑静な住宅街は暗転した。
火災が起きた梶原登さん(74)方は屋根まで抜け落ち、焼け焦げた臭いが朝方まで周囲に立ちこめていた。近所の住民の話では出火当時、梶原さん方から「早く出なさい」という叫び声も聞かれたとう。
梶原さん、長女(50)とともに行方が分からない妻(75)と前夜に電話で話したという近くの主婦(77)は、「信じられない」と絶句。「電話でたんすを譲る約束をしたばかりだった。まさかこんなことに…」と声を震わせた。
妻は自宅脇の畑で花や野菜を育て、近所の人にも配っていたという。腰の調子が悪い梶原さんの面倒も一生懸命みていた。別の主婦(63)は「働きもので元気な人だった。無事を信じたい」と祈っていた。
【写真説明】全焼した梶原さん方(中央)。現場周辺は住宅が密集している(25日午前8時、福山市伊勢丘6丁目)