発電事業のファーストエスコ(東京)の子会社、岩国ウッドパワー(岩国市)が太田川森林組合(広島県安芸太田町)と協力し、バイオマス発電の使用燃料を間伐材に切り替える試験運用を始めた。これまで建設廃材などを使ってきたが、不況で廃材確保が難しくなり、安定供給ができて環境保全につながる間伐材に着目した。
取引がある広島県内の機械メーカーの紹介で、太田川森林組合から間伐材の供給を受けることになった。10月下旬から供給を受け始め、木質系廃材を扱う飯森木材(宇部市)が運搬とチップ化を担当している。
岩国ウッドパワーの1時間当たりの出力は1万キロワット、年間約10万トンの廃材を使用している。2009年から、使用燃料の2%に当たる約2000トン分を間伐材に切り替えるという。ただ、運搬やチップ化に間伐材1トンにつき1万円以上の経費が掛かり、採算性などの課題が残る。
【写真説明】間伐材を使ったバイオマス発電を始めた岩国ウッドパワーの発電所