千葉市で二〇〇七年九月、当時十四歳の少年に刺殺された千葉県立高三年
「近ごろ多い少年犯罪 きちんとした意味もなく人殺して 年関係なくそれはもう人殺しで まだ幼いのに何してんだ 親や教師は何してたんだ」。まるで自身の事件を予見したかのような歌詞に衝撃を受けた遺族から、「健太の死を無駄にしたくない」と共同通信にこのほど寄せられた幻のメッセージソングだ。
題名は「今の世の中」。中学時代に書いた作文から、〇四年に長崎県佐世保市で小六女児が同級生に切られ死亡した事件が作詞のきっかけだったとみられ、亡くなる一年ほど前に作詞。無伴奏で、凶悪犯罪に揺れる社会を変えたいとの思いが切実に歌い込まれていた。
「ただ金が欲しかった 別に誰でもよかった」。そんな動機で繰り返される事件に「理解できねえ そんなやつらがいたんじゃ良い未来できねえ」と訴える。健太さん自身、自宅に盗みに入った少年を目撃しただけで口封じに殺害された。
「被害者だけ公表される名前と顔 加害者は守られる」と少年犯罪報道のあり方にも疑問を投げかけ、犯罪の背景を「育った環境、時代が犯罪を生み」と読み解く。サビの部分では「今の世の中 本気で変えなきゃダメだろう」と繰り返していた。
物置にしまってあった健太さんのラジカセの箱の中から、母