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2008年12月23日(火) 21時56分

<損賠提訴>公設事務所長が依頼放置し辞任 鹿児島・奄美毎日新聞

 鹿児島県奄美市に05年に設置された「公設事務所」の初代所長を務めた高橋広篤弁護士(32)=静岡県掛川市=が、多重債務の処理を依頼されながら放置し、代理人を勝手に辞任したとして、同市内の女性ら2人が高橋弁護士を相手取り、計770万円の損害賠償を求める訴えを起こしたことが分かった。女性らの代理人は後任所長の弁護士が務め「高橋弁護士への苦情が100件以上寄せられている」と話している。

 公設事務所は、日本弁護士連合会が弁護士過疎対策のために開設。開業資金の援助を受けられるほか、一定の収入に満たない場合は収入補償も受けられる。高橋弁護士は05年3月に着任し、今年4月に退任した。

 訴えによると、女性は05年5月、高橋弁護士に債務整理を相談。高橋弁護士は具体的な説明をしないまま「破産をするより他ない」と告げ、委任状にサインするよう求め、契約を結んだ。しかし、債権調査をしただけで、破産手続きを進めないまま今年1月、一方的に代理人を辞任した。

 高橋弁護士の代理人を務める弁護士は「何回も手紙などで(依頼者と)連絡を取ろうとしたが、連絡がないなどの理由から処理ができなかった」と話した。【川島紘一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000058-mai-soci