2008年12月22日(月) 19時20分
英単語500語追加…高校も「脱ゆとり」 新学習指導要領案を発表(産経新聞)
文部科学省は22日、高校の新しい学習指導要領案を公表した。卒業に必要な単位数74を維持した上で「ゆとり」重視で減少傾向にあった学習内容を理数系は平成元年レベルにまで戻し、英語は教員が英語で指導するなど、言語活動を充実させる。
学校の実情に応じて義務教育レベルの反復学習を認め、高校生全員が履修する科目を主要教科で設定するなど、学力の底上げも図る。
新学習指導要領は25年度から実施し、数学と理科は1年前倒しする。23日から一般から意見を募集し、修正を加えた上で、来年3月までに告示する。
今回の改定は、今年1月の中教審答申に沿って行われた。今春告示された小中学校版と同様に、改正教育基本法を踏まえて「伝統文化の尊重」「わが国と郷土を愛すること」「公共の精神の尊重」などを学校の教育活動全体で行うことを明記。道徳教育については、学校による全体計画作成を義務化した。
学習内容を制限する「歯止め規定」を削除し、週30コマ以上の授業が行えることを明記するなど発展的授業に配慮。一方で、共通必履修科目として「国語総合」「数学I」「コミュニケーション英語I」を設定し、高校生が最低限身につけるべき学力を示した。
数学では、統計を必修化。不等式など新学習指導要領で中学へ移った内容の代わりに、複素数の図表示など平成元年改定であった内容の多くが復活した。
理科は「結合エネルギー」などが復活。「膨張する宇宙像」など近年の知見も反映させる。
英語で指導する単語数は現行の1300から1800に増え、中学と合わせて3000語になった。文科省は「昭和50年代と同水準」としている。
地歴では、未履修が問題化した世界史は引き続き必修とされ、日本史の必修化は見送られたが、世界史で「日本史と関連づけながら理解させる」ことを重点化した。公民では、高校の指導要領で初めて「天皇の地位と役割」を明記した。
高校と同時に、特別支援学校の学習指導要領案も公表された。
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