労働者が自ら出資し、経営にも加わる新しい働き方「協同労働」を後押しする法案が、来春にも国会に提出される可能性が出てきた。利益優先の風潮や従来の労使関係にとらわれずに働きたい人々の“起業”支援が狙いだが、雇用不安が強まる中で、関係者は「数十万人の雇用安定化につながる」と期待する。
法制化は
市民会議の素案では、協同労働の組織は地域への貢献や就労創出などを目的に掲げ、組織設立に最低必要な人数を特定非営利活動法人(NPO法人)の「十人以上」より緩和した「三人以上」に設定。介護や子育てなど地域社会に根差した事業を中心に、若者から高齢者まで幅広い労働力の掘り起こしもにらみ、より起業しやすくしている。
協同労働の考え方を生かし、家庭に出向いて子育てサポート事業を行っている東京都足立区のNPO法人「おひさまのいえ」には現在、主婦ら約百五十人が登録している。
ひとり親家庭や子育てに悩む親にとって最後のよりどころとなっており「困っている母親の手助けに少しでもなればいい」と
坂口元厚労相は「新しい働き方ということで意味がある」と話す。法制化されなくても活動はできるが「法的根拠がないと組織運営上の制約が多い」と早期法制化が必要だと指摘する。