2008年12月22日(月) 20時44分
<重要課題推進枠>社会保障に775億円を配分(毎日新聞)
麻生太郎首相は22日、09年度予算の政府案決定に向け、重要施策の予算を上乗せする「重要課題推進枠」(3330億円)の配分先を決めた。医師不足対策や出産支援の拡充、再就職支援など社会保障分野に全体の4分の1近い約775億円を配分。財務省原案段階で前年度比5.9%減だった公共事業費も約490億円増額し、削減幅を同5.2%に圧縮した。
推進枠決定について麻生首相は22日、記者団に「生活防衛と地方の底力を重視した」と説明した。
各閣僚と財務相の「復活折衝」を廃止し、自ら推進枠の配分先を決めることで「官邸主導の予算編成」を演出するのが狙い。推進枠決定を受け、政府は24日、一般会計総額が88.5兆円と過去最大規模となる09年度予算政府案を閣議決定する。
休日や深夜の患者受け入れ体制の不備が社会問題化していることを受け、医師不足対策や救急医療体制充実に計308億円を追加計上した。また、治療法が確立されていない難病対策に予算を76億円増額した。
高まる雇用不安への対応では、非正規雇用者への就労支援策に51億円を追加計上。教育・研究開発分野は705億円を上乗せ。また、水田の有効活用など農業分野に630億円を配分し、次期総選挙をにらみ農村対策にも目配りした。麻生首相の外交重視の方針を反映し、ODA(政府開発援助)予算は途上国向けの環境・食糧対策支援で計95億円を追加した。【清水憲司】
◇お産1件1万円など勤務医手当盛る
医師不足対策として、勤務医への手当が予算化された。救急医(1回1万3570〜1万8659円)、産科医(お産1件1万円)、産科を目指す研修医(研修3年目以降、月5万円)−−との内容。へき地に派遣される医師の移動費への助成(1医療機関に131万円)なども含め計49億4000万円が認められた。【堀井恵里子】
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