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2008年12月21日(日) 00時42分

予算の分野別集計を非公表に、官邸主導をアピール?読売新聞

 財務省は09年度予算の財務省原案を発表する際、例年行ってきた社会保障費や公共事業費といった分野別に集計した予算額や増減率などの公表を取りやめた。

 原案を内示後、麻生首相が自ら「重要課題推進枠」の配分を決めて政府案を決定するため、財務省は「原案の数字が政府案の段階で大きく変わる可能性があるため」と説明している。

 首相は、原案内示から政府案決定までの間に行っていた閣僚による復活折衝も「形式的だ」と廃止した。

 原案段階での分野別集計を非公表としたのも、官邸主導の予算編成をアピールしたい狙いがうかがえる。

 しかし、首相が思い描く予算配分のメリハリの付け方や分野別の削減目標達成状況も政府案決定時まで明示されず、予算編成の透明性が低下するのは必至だ。

 一方で、財務省は20日朝、与党には従来通り分野別の予算額を説明した。与党に示す情報と国民に広く示す情報で差を付けたと受け取られかねない。国民生活に深くかかわる予算の情報開示として適切だったか、疑問が残った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081221-00000002-yom-bus_all