2008年12月21日(日) 22時52分

刑務所参観しませんか　法務省が募集通知（産経新聞）

　来年５月の裁判員制度開始に向け、法務省矯正局は、全国の刑務所など刑事施設に対し、施設の参観（見学）を、より多くの国民に働きかけるよう通知した。判決後に受刑者が過ごす施設の状況を、裁判員になる可能性がある国民に広く知ってもらうことが必要と判断した。

　刑事施設の参観については、平成１８年５月の「刑事施設の参観に関する（法務大臣）訓令」などで、毎年１回以上、参観希望者を募ることを指示。全国約７０の施設では、一般を対象にした「矯正展」などで募集参観を実施しているほか、申し出に応じた一般参観も受け付けている。参観人員は１６〜１９年に募集参観で倍以上に、一般参観も３割増となっている。

　ただ実施状況を調査したところ、ＯＢ会、職員の家族、国の出先機関など対象を特定している事例があった。このため１１月末に矯正局総務課長名の通知で、「幅広く希望者を募り、参観を行うことが適当」としたうえで、「裁判員制度が始まりますので、より多くの国民に参観を働き掛けて、矯正に対する理解を深めてもらうことの重要性は、これまで以上に大きくなります」と強調した。

　日本の裁判員制度のような参審制度のあるフランスでは、参審員（裁判員）の裁判準備として、監獄訪問のプログラムがあるという。

　法務省では「裁判員のためだけの参観は日程的にも難しいと思うが、国民の司法参加の準備のためにも、より多くの人に参観の機会を利用していただきたい」と話している。

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