2008年12月21日(日) 21時56分

ペルーから「元気です」　明美ちゃん基金で手術のマリクルスさん　（産経新聞）

　平成９年に「明美ちゃん基金」の適用を受け、先天性の心臓疾患の手術を日本で受けたペルーのマリクルス・リターノさん（２０）がこのほど、同国を訪れた産経新聞記者に、「みなさんのおかげで、元気に生きています。日本で誓った通り、看護師になるため勉強しています」と感謝の手紙を寄せた。

　マリクルスさんが手術を受けたのは９歳のとき。ほとんどが成人までに死亡する難病を患い、少し走るだけでも苦しくなっていた彼女は、日本での手術後、すっかり元気になった。

　「日本で入院していたとき、看護師になると決めた。その思いは一日だって変わったことはありません」。高校卒業後、エクアドル国境近くの故郷の村を出て、リマ北方約１０００キロのピウラの町にある看護学校に入学。来年には卒業予定だ。看護師の仕事は大変だが、「この道を選んで後悔したことはない」。

　貧しい暮らしは変わらない。両親が住む故郷の村の家には電気も水道もないまま。ピウラで一人暮らしのマリクルスさんも、休みの日は近くの農園にマンゴーの摘み取り作業に出る。

　しかし、マリクルスさんの表情に暗さはみじんもない。「日本とペルーのみなさんに助けてもらい、本当に幸せな人間だと思う」

　卒業後、再び日本を訪れてみたいと思っている。そして、できるなら、日本で勉強を続けたい−。それが今のマリクルスさんの最大の夢だ。（リマ　松尾理也）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081221-00000554-san-soci