瀬戸内海西部で今年、南方系の珍しい魚が相次いで見つかっている。今月には太平洋などに生息する暖海魚のノトイスズミが山口県周防大島町沖で初めて確認され、水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(廿日市市)は「温暖化の影響」と分析している。
ノトイスズミは今月13日、周防大島町の漁業丁田行一さん(66)の刺し網で2匹捕れ、生きていた1匹(体長20.3センチ)を柳井魚市場(柳井市)に出荷した。「メジナに似とるが色が違い、何かと思った」と丁田さん。
同研究所によると、ノトイスズミは本州中部から太平洋、インド洋の亜熱帯や温帯に分布。成長すれば50センチほどになり、今回、捕獲された個体は、夏にふ化した魚という。
【写真説明】山口県周防大島町で捕獲されたノトイスズミ(水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所提供)