日銀は十八日、金融政策決定会合を開き、悪化度合いを深める経済情勢について討議した。急激な円高が景気をさらに冷え込ませる懸念が高まっており、追加利下げを議論。企業の一段の資金繰り支援策として、政府が強く要望しているコマーシャルペーパー(CP)買い取り策の導入なども焦点となる。
日銀は十九日に利下げの是非などを八人の政策委員の多数決により最終判断する。
米連邦準備制度理事会(FRB)が事実上のゼロ金利に移行し、日米の政策金利が逆転。ドルと比べて運用に有利な円を買い進む動きが加速しており、業績が急悪化している輸出企業に打撃を与えると想定される。
このため、市場では、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0・3%としている現在の政策金利の引き下げに踏み切るとの観測が強い。いずれはゼロ金利政策に再び移行せざるを得ないとの見方も増えている。
ただ日銀内には、ゼロ金利は市場の機能を損なうとの懸念も根強い。利下げする場合は、政策金利を0・1%程度に引き下げるほか、誘導目標に一定の幅を持たせる手法など幅広い選択肢を検討するとみられる。
同時に、企業の資金繰りを支援するための新たな資金供給策を検討。(1)企業が発行するCPの買い取り(2)中小企業の売掛債権を裏付けとした証券の買い取り(3)長期国債の買い入れ額の増額—などが議論の対象になっているとみられる。
また会合では、企業短期経済観測調査(短観)で企業の景況感が石油危機以来の下落幅となったことなどを受け、景気判断を下方修正する方向となったもようだ。