急激な景気悪化で来春卒業予定の大学生らの採用内定取り消しが問題になる中、京都大(京都市左京区)や立命館大(同市中京区)でも、内定が取り消されたケースがあることが新たにわかった。厚生労働省によると、11月25日までに、全国のハローワークで確認された新規学校卒業者の内定取り消し件数は高校生を含めて計331人。すでに昨年度卒業者の3倍を超え、全国でさらに増える見通しで、就職戦線は〈超氷河期〉の様相を示し始めた。
読売新聞の調査では、京都府内の大学・専門学校で、ほかに内定が取り消されていたのは、京都産業大(同市北区)や京都学園大(亀岡市)などの各1〜3人で、計14人となる。また奈良県内でも大学・専門学校の3人が内定を取り消されたという。
京大では、広告会社への内定が決まっていた学生1人が11月、経営状況の悪化を理由に取り消された。同社がこの学生に別の会社を紹介している。立命館大は、学生1人の内定を取り消した会社と、予定通り採用するよう交渉中という。
厚労省若年者雇用対策室は「全国のハローワークから随時、内定取り消しの情報が集まっており、今後も増えそうだ」としている。
同省によると、全国の内定取り消し件数は調査方法は異なるが、最近では1998年3月卒業者が1077人と最も多く、2005年卒業者以降は二けたで推移、08年卒業者は94人だった。