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2008年12月16日(火) 14時45分

ルーシーさん事件で織原被告に一部有罪 東京高裁が無期判決産経新聞

 英国人女性、ルーシー・ブラックマンさん=当時(21)=が遺体で発見された事件など計10人の女性に対する性犯罪で、準強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた会社役員、織原城二被告(56)の控訴審判決公判が16日、東京高裁で開かれた。門野博裁判長はルーシーさん事件では無罪、ほか9人に対する犯行を認め無期懲役とした1審東京地裁判決を破棄、改めて無期懲役を言い渡した。ルーシーさん事件では死体遺棄・損壊罪については有罪としたが、ルーシーさんを死亡させたとする準強姦致死罪は認定できないと判断した。

 検察側は1審で、他の9人の被害者が薬物を使って乱暴されていることなどから、ルーシーさん事件も「一連の事件の延長線上にある」として、クロロホルムなどを使って乱暴され死亡したと主張。ルーシーさんの失跡直後に神奈川県逗子市のマンションに一緒にいたことや、遺体の損壊・遺棄に使ったとみられるチェーンソーやセメントなどを購入していた状況証拠を積み重ねた。

 控訴審ではこれらの主張に加え、専門家の鑑定書に基づき、「ほかの女性に使った方法で薬物中毒死したとする証明は十分」と指摘した。

 弁護側は、ルーシーさんら2人に対する準強姦致死について、「薬物使用を裏付ける証拠はない」などと無罪を主張。ほか8人の起訴事実は認めつつ「無期懲役は重すぎる」と量刑不当を訴えていた。

 昨年4月の1審判決では、ルーシーさん事件について「関与の疑いはあるが、犯行を直接結びつける証拠はなく、死因も特定できない」などと無罪を言い渡した。一方で、平成4年2月に豪州人女性、カリタ・リジウェイさん=当時(21)=を死亡させた事件など9人の女性に対する性犯罪では、クロロホルムなどの薬物を使って意識障害状態にして乱暴したと認定し、有罪とした。

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