レギュラーガソリンの価格が引き下げられる中、軽油との価格差が縮小している。1リットルにかかる税金は軽油が約20円安いが、中国地方5県の11月の平均小売価格の差はわずか7—9円。長く続いた燃油高騰で基礎体力を奪われ、現在は景気減速で配送量の減少に直面するトラック業者などからは不満の声が上がっている。
「小売業者は『元値が下がらないから』と言うだけ」。広島市内の運送会社の幹部(38)は憤る。この会社が契約するガソリンスタンド(GS)は今月初め、軽油価格を最も高騰した8月と比べ1リットル当たり54円引き下げた。一方、ガソリンの引き下げは67円。「もっと軽油も安くできるのではないか」と疑問を抱く。
ガソリン価格は軽油より10—20円高いのが相場だった。だが、景気悪化で原油価格の下落が続き需要も伸び悩む中、小売り現場ではガソリンの価格競争は激化の一途だ。現在はガソリンが116円なのに対し、軽油は115円とその差はわずか1円だ。
こうした状況の中、広島県トラック協会(小丸法之会長)は12日、「軽油価格の適正化」を求める要望書を、中国経済産業局と公正取引委員会中国支所に提出した。「11月の税金を抜いた本体価格は、軽油がガソリンを1リットル当たり14.7円上回っている」などとして石油業界への指導を求めた。