2008年12月14日(日) 07時01分
最後まで主役!!遼くん08年逆転Vパット締め(スポーツニッポン)
08年の主役は最後の最後まで遼くんだった。日立3ツアーズ選手権最終日は13日、千葉県市原市のキングフィールズGC(男子7031ヤード、シニア6701ヤード、女子6040ヤード=パー72)で行われ、最終組で回った石川遼(17=パナソニック)は最終18番で、決めれば優勝というバーディーパットを沈め、男子チームの2年連続3度目の優勝に大きく貢献。プロ1年目で大活躍した今年最後の試合を、劇的な逆転劇で締めくくった。出場15選手の中で最多の9ポイントを挙げる活躍を見せた石川は大会MVPも獲得した。
08年最後のウイニングパットは、何かに導かれるようにして今年のゴルフ界の主役にめぐってきた。男子チーム5人でラインを読んで全員の意見が一致した。3メートルのスライスライン、狙うのはカップの左内側。「僕はそこに構えて打ち出すだけでした。打つ前から入ると思ってました」
カップインする瞬間を見届けることもなく、石川は跳んだ。女子とシニアをきん差でかわし、劇的な逆転優勝をもたらすバーディー。「泣きそうになっちゃった」と喜びのジャンプを繰り返すと、先輩プロと肩を抱き合い、輪になって喜んだ。
男子チームは午前のダブルスを終えた時点で首位の女子に4ポイントの差をつけられて最下位。しかし、最後のシングルスで全員が意地を見せた。矢野、谷原、片山が着々とポイントを稼ぎ、最終組の石川につなげた。
「不思議ですね。最後にああいうチャンスが自分にめぐってくるとは思わなかった」。シニアの中嶋常幸と同スコアで迎えた最終18番。決めれば優勝、外せば負け。あまりに出来過ぎたシナリオの中、バトンを受けた17歳の主演ゴルファーは、最高のクライマックスシーンを演じてみせた。同組の古閑美保が「最後は遼くんに全部もっていかれましたね」と初日に続いて脱帽すれば、中嶋も「すべては遼のパットが出来上がるまでのおぜん立てだったんだよ」とあきれ返った。
賞金4000万円は5人で山分けし、800万円を手にするとともにMVPも受賞した。「今年最後の試合で最高の思い出ができた。みんなでジャンプして喜び合えたのは、一生の思い出でしょう」。プロとして大きな飛躍を遂げ、合計30試合に出場した08年。記者会見まですべての仕事を終えた石川は充実感に浸りながら「一気に気が抜けちゃったあ」と深く深く息をついた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081214-00000042-spn-spo