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2008年12月14日(日) 07時00分

魅せた!決めた!真央 世界一の技で女王にスポーツニッポン

 フィギュアスケートのGPファイナルは13日、韓国・高陽アイスリンクで女子フリーなどを行い、SP2位の浅田真央(18=中京大中京高)はフリー1位の123・17点で合計188・55点とし、SP首位のキム・ヨナ(18=韓国)を逆転。女子では国際大会初となる2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功し、3季ぶりのGPファイナル優勝を飾った。中野友加里(23=プリンスホテル)は5位、安藤美姫(20=トヨタ自動車)は最下位の6位に終わった。

 女子フィギュアの歴史が動いた。しなやかに、力強く、浅田真央が歴史を動かした。「仮面舞踏会」の哀愁を帯びたワルツに乗り、冒頭のトリプルアクセル—2回転トーループを完ぺきに着氷。スピードに乗ったスケーティングで、2度目のトリプルアクセルへ。鋭い回転で高く舞い、再び氷の上に降り立った。

 国際大会では史上初の大技2回。11月のNHK杯では2度目のトリプルアクセルが回転不足と判定されたが、宿敵・キム・ヨナとの今季初対決でついに成功。SPの0・56点差を逆転して、3季ぶりにタイトルを奪回した。

 「優勝できてうれしい。(トリプル)アクセルを2回跳ぶことができたし、回転も認定されたし、凄くうれしかった。凄く達成感がある」

 02年ソルトレークシティー五輪男子金のヤグディン、06年トリノ五輪女子金の荒川静香らが師事したタラソワ・コーチによるフリーのプログラムは、体力の限界への挑戦だった。2度のトリプルアクセル以外にも高難度の要素が詰め込まれ「休むところがない。止まって息を整えるところがない」と浅田は言う。

 今季開幕前はプログラムを滑りきることすらできなかった。11月のフランス杯はミスを連発し、NHK杯では優勝したもののフィニッシュ直前で体力が尽きてバランスを崩した。この日も、終盤の3回転フリップ—3回転ループのフリップで転倒。「失敗したのが悔しい」と顔をしかめたが、過酷な4分間を確実に自分のものにしつつある。

 シニア参戦後、キム・ヨナとの対戦は2勝2敗だったが一歩、前に出た。「いいライバルだと思っている。一緒に出ることで凄く自分もいい刺激をもらえる」。ともにミスが出たが、勝敗を分けたのは大技の有無。これからも続いていくライバル・ストーリーで確かなアドバンテージを得た。

 NHK杯優勝時は「90点」だった自己採点が、今大会は「95点」。次戦は3連覇を目指す12月の全日本選手権へ向け「次の試合ではコンビネーションをミスしないようにしたい」と100点宣言も飛び出した。年が明ければ、連覇がかかる四大陸選手権と世界選手権が待つ。目標の10年バンクーバー五輪へ、真央の進撃は止まらない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081214-00000035-spn-spo