2008年12月14日(日) 12時05分
「婚活」「防災」「野菜栽培」 福袋商戦「時代の気分」反映(J-CASTニュース)
景気急減速で個人消費が伸び悩むなか、百貨店は正月の福袋に知恵を絞っている。首都直下型地震にそなえた保存食、「婚活応援」、「美しく変身」をテーマとしたもの、農業体験、などなどだ。背景には、安全・安心や「変身願望」など、今の時代の気分を反映していることがありそうだ。
■農地を1年間借り、野菜の栽培から収穫を体験
日本橋高島屋では、中高年女性を対象にした、著名メイクアップアーティスト・吉川康雄氏のメイクや、スタイリストによるファッションアドバイス、記念撮影がセットになった「ビューティー・マダムプロジェクト」(8万8888円)を限定3名に販売。節約志向のなかでも、「美しく変身していただく福袋」として売り出す。
また、新宿高島屋では、18歳以上の独身女性をターゲットにした「婚活」応援福袋(2009円)を抽選10人限定で販売。非婚・晩婚化が進む昨今、結婚を意識した行動を「就活(就職活動)」のように行っている女性が増えてきている時代を背景に、「ファッション」「メイクアップ」のアドバイスや、『婚活時代』(山田昌弘氏と共著)の著者・白河桃子氏のトークショーなどを揃えた。
三越銀座店では、千葉県市原市で36平方メートルの農地を1年間借り、野菜の栽培から収穫を体験できる福袋(3万1500円)を1組2名に抽選販売する。
「食の問題や物価の値上がりなど暗い話題が多いなかで、自分で食べるものは自分で収穫したいというニーズが高まっている。都会の喧騒を逃れて、収穫が楽しめるという贅沢を味わって欲しかった」(銀座三越広報担当者)
■浄水器、簡易トイレなどの防災グッズ入り
また、高島屋大阪店では、滋賀県長浜市の農家で、田植え、稲刈りを体験し、稲刈り後には新米一俵分が届く福袋(3万円)を15人に抽選販売する。同店の広報担当者はJ-CASTニュースに対し、
「景気が良くないなかで、消費者の生活防衛意識は高まっており、食料品にたいしても、より安全・安心が求められるようになってきた」
と福袋の狙いを説明するほか、「環境に対する意識も深めていただきたい」と話す。
また、災害に備えた「安心」をテーマとした「福袋」の販売も相次ぐ。高島屋日本橋では「景気減速、新型鳥インフルエンザ、首都直下型地震の発生懸念など、消費者の防衛意識が高まっている」として、万が一の事態に備え、保存食をセットにした「フードストック福袋」(5000円)を展開する。三越銀座店でも浄水器、簡易トイレなどの防災グッズを揃えた「防災グ〜ッズ福袋」(1万500円)を販売する。
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