2008年12月14日(日) 00時35分
3回転半2度の真央、高く軽やかにライバル制す(読売新聞)
ライバル対決を制しての3季ぶりのタイトル奪還に、「国際大会初」が花を添えた。むしろ浅田真央が喜んだのは、後者だった。
「(大会に)入る前から2度跳びたいと思っていたし、攻める気持ちを忘れないというのが目標だったので」。NHK杯に続いて、2度のトリプルアクセルに果敢に挑んだ。
冒頭は、片手を挙げる2回転ジャンプをつけた連続ジャンプ。続いて、単発でも完璧(かんぺき)に決めた。回転不足と判定されたNHK杯とは違い、高く、軽やかに回り切る。2度ともプラスの評価で、64・57点の技術点のうち、この2つで19・90点を稼いだ。「(認定されて)すごくうれしいし、達成感がある。大きな自信になった」。中盤にかけての3回転ジャンプで転倒するミスがあったが、小差で金妍児(キムヨナ)をかわした。
多くの世界王者を育てたタラソワコーチも「女子では初めて2度跳べて、ちゃんと点数ももらえた。誇りに思う」と手放しで教え子を褒めたたえた。
「(金に)負けたくないというか、とにかく絶対跳ぶという気持ち」。ライバルに勝つための挑戦ではない。より高度な技を一つ一つ克服し、高みを目指す。世界女王が本当に見据えているのは、一歩先を行く自分自身の姿だ。(宮崎薫)
◆地元の重圧、ミス2度の金妍児◆
2度のジャンプミスで2位に終わった金。演技後は、前日同様リンクを埋める贈り物の中で、落胆と安堵の混ざった表情を浮かべた。
会見では「3連覇の重圧というより、地元での試合の重圧が大きかった」と打ち明けたが、「失敗してしまったけれど、多くのことを学べるいい経験」と最後にやっと笑顔を見せた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081214-00000000-yom-spo