阪神大震災の犠牲者の名前を刻む神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」に14日、17人分の銘板が新たに加えられた。
震災をきっかけに病気などで死亡した「遠因犠牲者」10人を含む神戸市、兵庫県西宮市、芦屋市などの被災者。銘板は計4855人分になった。
遺族は自ら張り付けた銘板の名前を手で優しくなぞり、故人を思い出しながら涙を流していた。
神戸市中央区の避難所で体調を崩し、数日後に亡くなった柳川アキさん=当時(69)=の姉オトさん(85)は「銘板の名前を見て涙があふれた。親孝行の良い妹だった。よかったねと伝えたい」と涙ぐんだ。
同県加古川市の港で作業中、岸壁が崩れて死亡した吉田昇さん=当時(46)=の姉坂田富子さん(65)は「弟の子どもが成人したのを機に銘板を加えてもらった。亡くなった現場には行けないので、ここに会いに来たい」と話した。
モニュメントは2000年に市民の募金などで完成。遺族が希望した犠牲者の名前が銘板に刻まれている。