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2008年12月14日(日) 00時00分

市税回収断念、5年間で52億中国新聞

 広島市が市税の回収を断念した「不納欠損」が、2007年度までの5年間で計約52億円に上ることが分かった。市民税や法人税、固定資産税などを払う市民、企業の経済的な苦境を映す一方で、滞納者が所在不明で市が徴収をあきらめる事例もある。「逃げ得」を許さない対策が求められている。

 5年間の不納欠損額を年度別にみると、04年度が約12億7900万円でワースト1位。徴収対象総額に占める割合(不納欠損率)は0.62%になる。最も低かったのは、07年度の約6億6400万円で不納欠損率は0.30%。この格差について市納税課は「企業倒産数などの経済情勢に大きく左右される」と説明する。

 半面、滞納者の所在が不明で財産もつかめないと市が判断し、徴収を断念した事例は後を絶たない。07年度は不納欠損額のうち7.1%を占めた。生活困窮者の基本的人権を守るための措置だが、「逃げ得」として悪用される恐れも否定できない実態がある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812140019.html