十三日午前十一時十分ごろ、東京都杉並区の阿佐谷駅前交番に「現金輸送車から現金が盗まれた」と警備員から届け出があった。車内にあった四つのかばんに現金計約六千九百万円が入っており、かばんごとすべてなくなっていた。
警視庁杉並署は窃盗事件として捜査している。
調べでは、輸送車は「日月警備保障」(東京都千代田区)所有で、五十一歳と五十二歳の男性警備員二人が乗っていた。
杉並署によると、二人は十三日午前十時八分ごろ、阿佐谷北一丁目の路上にあるコインパーキングに輸送車を駐車。約八十メートル離れたゆうちょ銀行の現金自動預払機(ATM)に行き、現金の回収や補充をして午前十時五十四分ごろに車に戻ったところ、現金がなくなっていたという。
現金輸送車は午前八時十五分、約九千三百万円を積んで新宿区内の会社事務所を出発。郵便局のATMなど計四カ所で現金を補充した後、現場に到着した。事件当時は約六千九百万円が車内にあったという。コースは不定期で、現場には土曜日に来ることが多かった。
警備員は「車の鍵はすべて施錠して離れた」と話しており、車に戻った際にも施錠された状態だったという。鍵が壊された形跡はなかった。
現場は、JR中央線阿佐ケ谷駅近くの商店などが立ち並ぶ繁華街。