2008年12月13日(土) 22時36分
柔道嘉納杯、若手の台頭なし 人材払底の観強く(産経新聞)
こわもてが売りの全日本男子の篠原監督が笑み崩れている。この2日間で、男子5階級のうち4階級を制したのは確かにめでたい。その一方で、まだ優勝者のない女子の園田監督は「反省だらけ」と機嫌が斜め。不満のほこ先は63キロ級2位の上野順に向いた。
決勝では、功を焦って掛けた技がつぶされ、独り相撲で判定負け。4月の代表選考会で、北京五輪金の谷本歩実を破りながら補欠に。悲運の印象が先立つものの、この敗戦は心証を悪くした。園田監督は「自分が一番手になった途端、重圧に負けている。だから五輪に出られない」。5階級でメダルを手にした北京代表組と後続組の溝は、一朝一夕には埋まらない。
男子はどうか。81キロ級を制した塘内は31歳、90キロ級の小野は28歳。「4年後」を叫んでも、現実味に乏しい。その塘内に決勝で屈した加藤は23歳。小野に準決勝で破れた吉田は19歳。吉田はカウンター狙いの老いた柔道が鼻につく。「1、2年後が楽しみな選手が出てきた」(篠原監督)という言葉を額面通りには受け取れない。
骨のある外国勢はごく一部で、「大抵は観光気分」と全日本柔道連盟のある幹部。内実は国内大会の延長なのに、若手がベテランを走らせている。10月の世界ジュニア選手権では、男子の優勝者はゼロ。いよいよ人材払底の観が強いのだが…。(森田景史)
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