2008年12月13日(土) 21時39分
【Re:社会部】優しくなれる鏡(産経新聞)
「おっ、こんなところにも」
部内の配置換えで今月から職場が省庁の記者クラブに変わりました。その庁舎のエレベーターで「気くばりミラー」を見つけ、思わずうれしくなりました。
2年前に埼玉県の中小企業「コミー」の小宮山栄社長をインタビューしてから、ファンになっている同社の商品です。平面なのに凸面鏡のように広角に映る不思議な鏡で、エレベーターの入り口につけると、ボタン操作をする人がエレベーターホール全体を見渡せます。人がはさまれるのを予防するだけでなく、離れた所にいるお年寄りに気付くこともできます。
その名の通り“気くばり”を意識させられる商品です。いつもはせっかちに「閉」ボタンを押してしまいますが、これを見ると「他にも乗ってくる人はいないかな」と、心にゆとりが生まれます。少し優しい気持ちになれる商品なのです。
「社会が満足することを一生懸命考えるとビジネスは生まれる」
小宮山社長はこう言っていました。中小企業ならではの発想だと思います。こうした中小ならではの商品は他にもたくさんあることでしょう。
米国発の金融危機は日本の金融機関の貸し渋りを生み、中小企業の経営を圧迫しています。欲望渦巻くマネーゲームの果てに、こうした“心ある商品”が失われないことを祈るばかりです。(S)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000571-san-soci