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2008年12月13日(土) 20時22分

<グアンタナモ>収容被告の事前審理…オバマ氏が閉鎖公約毎日新聞

 【グアンタナモ(キューバ)大治朋子】グアンタナモ米海軍基地(キューバ)の特別軍事法廷は12日、カナダ国籍のオマー・カードル被告(22)の事前審理を行った。15歳だった02年にアフガニスタンの対テロ戦争で米兵を殺害した罪などに問われている。初公判は来月26日。同基地のテロ容疑者収容所閉鎖を公約するオバマ次期米大統領の就任直後で、行方が注目される。

 同収容所の閉鎖やオバマ氏の行政命令などで、カードル被告の裁判手続きが中止される可能性もある。

 検察側はカードル被告が「戦争犯罪」を犯したと主張、終身刑を求めている。弁護側は「未成年(18歳未満)の訴追を禁じた国際条約違反だ」と反論している。

 弁護側は12日、事件当時、カードル被告が米軍の空爆でがれきに埋もれ、犯行は不可能だったと証明するという写真や証人の「新証拠」を申請。殺人罪に当たらないと主張した。イスラム教徒の白装束姿の被告は証言の機会はなかった。

 被告はトロントで生まれ、エジプト出身の父親(03年死亡)とアフガニスタンに移住した。02年7月、米軍と武装勢力との戦闘中に手投げ弾で米兵1人を殺害したとして現場で拘束された。同年10月に同収容所へ移送され、昨年訴追された。

 ◇少年を戦争犯罪で裁くな

 ビル・キーブラー米主任弁護士(海軍少佐)の話 米軍はカードル被告だけを成人として裁こうとしている。父親がアルカイダの資金提供者とされ、検察側は秘密情報収集のため「大人」として取り調べた疑いが強い。また、現場の手投げ弾の破片も、武装組織の旧ソ連製より米軍製が目立ち、米兵は味方の攻撃で死んだ可能性もある。オバマ政権が戦争犯罪で少年を裁くという米国史上異例の裁判を認めるとは思えない。

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