【北京13日共同】中国で旧日本軍により遺棄された毒ガス兵器が集中的に埋まっている吉林省敦化市ハルバ嶺で十三日午前、日中合同でガス弾の発掘・回収作業が始まった。兵器の種類や埋蔵状態などを調べるための試掘作業で、今回は来年一月十九日まで実施し、千発程度を回収する予定。
化学兵器禁止条約に基づき、二〇〇〇年から南京市などで計四万五千発の兵器を回収しているが、ハルバ嶺での回収は初めて。
発掘作業は埋設地の上をテントで覆い、毒ガスが漏出しても拡散しにくいよう低圧にした状態で行う。
中国に遺棄された化学兵器は大部分がハルバ嶺に埋設されており、三十万〜四十万発と推定されている。試掘を三年行った後、ハルバ嶺で本格的な発掘や処理施設の建設を行う計画。
条約による処理期限は当初〇七年で、延長され一二年となったが、それでも「期限内の完了は難しい」(北京の日本外交筋)状況だ。