【ポズナニ(ポーランド)13日共同=樋口明】ポズナニで開催中の気候変動枠組み条約第十四回締約国会議(COP14)は十三日、約二週間にわたる協議を終了、閉幕した。最大の議題だった京都議定書に続く地球温暖化対策の国際枠組みづくりに、ほとんど進展はみられず、来年末に迫った交渉期限までの合意は厳しさを増す結果となった。
次期枠組みの具体像が見え始めるのは、来年三月の特別作業部会以降になり、関係者には危機感が強まっている。
議長は、削減の長期目標など将来ビジョンに関する閣僚級の協議を踏まえた議長総括を発表。協議では多くの国が「先進国は二〇二〇年までに25〜40%の削減が必要」と主張したが、総括は数値に触れずじまい。「五〇年に世界の排出量を半減させる」との長期目標でも合意は得られなかった。
先進国の温室効果ガス排出の大幅削減を求める発展途上国側と、途上国にも一定の削減努力を求める先進国側との溝は埋まらなかった。
特別作業部会で期待された「先進国全体で二〇年に一九九〇年比25〜40%減」との削減幅をめぐる記述の強化も、日本などの反対で実現しなかった。
次期枠組みへの途上国の参加を促す上で重要な、資金援助や技術移転の問題でも、大半の重要事項で議論が先送りされた。
日本は北海道洞爺湖サミットを踏まえ、五〇年半減の長期目標の共有を各国に求めたが実現せず、サミット議長国の存在感を示せなかった。