2008年12月13日(土) 15時01分
<ノーリフト>協会設立へ 介助器具の普及を 神戸の看護師(毎日新聞)
介助機器などで看護、介護従事者の負担を軽減する「ノーリフト」の普及のため、神戸市長田区の看護師、保田淳子さん(37)が来月、市民団体「日本ノーリフト協会」を設立する。介助者の肉体的負担が大きく、離職者も多い現場の労働環境改善を目指す取り組みとして注目される。
北欧や豪州の一部の州などではノーリフトが浸透し、被介助者をベッドなどから移動させる際、人が体を持ち上げる時の重量制限が法制化されている。
一方、日本では人の力に頼った移動介助が主流。05年に滋賀医大の研究グループが行った全国調査では、回答者4754人の約8割が就労後に腰痛を経験。全国大学高専教職員組合の調査でも、国立大病院の看護師の4割が慢性的な腰痛を抱えていた。離職者も目立ち、財団法人「介護労働安定センター」によると、06年10月から1年間で介護従事者6万1448人のうち1万3275人が退職。7割以上が勤務期間3年未満だった。
保田さんは03年に豪州に留学し、介助機器での移動介助を体験。「看護・介護をする人、受ける人の双方により良い方法を広めたい」としている。協会は器具使用の勉強会などを開くことにしており、来月25日、神戸市中央区の兵庫県医師会館で豪州から講師を招いてフォーラムを開く。詳細は先に開設したホームページ(http://nolift.net)まで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000041-mai-soci