路面電車が近づくと青信号が長くなり電車の運行がスムーズに—。広島市中区の広島電鉄江波線で、交差点を路面電車が優先して通行できるシステムの実証実験が13日から始まる。社団法人新交通管理システム協会(東京)が、所要時間の短縮や乗客の利便性向上のため全国で初めて実施する。広島県警と広島電鉄が協力し、3月中旬までの予定。
江波—舟入幸町間の上り約1.3キロで信号待ちの時間が長い3交差点を対象に、午前7時—午後8時に実施。路線の隣接車線に電車の通過を検知する光ビーコンを設置し、専用の端末機を載せた車両が通ると県警交通管制センターに情報を送信。進行方向の青信号の延長や赤信号の短縮でスムーズな運行を可能にする。平均6分の所要時間を約10%短縮できる見込みという。
公共交通機関では、路線バスが優先通行できる同様の「公共車両優先システム(PTPS)」を全国で導入。広島市でも2003、04年に2路線が取り入れ、深川(安佐北区)—基町(中区)間11.9キロでは平均5分の短縮効果が上がっている。
【写真説明】道路の真上に設置された光ビーコン