おいしそうなにおいでも長時間だと苦痛−。京都市南区の菓子工場近くの住民17人らが12日、製菓会社と京都市に計約2100万円の損害賠償を求め京都地裁に提訴した。
住民側は「バターやあんが混じったにおいにさらされ、甘さを通り越して気分が悪くなった」と主張。一方、製菓会社側は市と同様に「訴状を見ていないのでコメントできない」としながら、「漂ったとしてもお菓子の甘い香り。悩ませるほどのにおいは出していない」と話している。
訴えられたのは、石田老舗(京都市)。同社のホームページによると、そばぼうろやマドレーヌ、もなかなどを作っている。
訴えによると、同社は2005年2月、南区で工場の操業を開始。京都市は06年9月、工場面積について重大な建築基準法違反があるとして、操業を停止する是正命令を出した。しかし、工場は操業を継続。市も告発などの手段を取らず、住民は工場が移転する08年6月まで、においや騒音に悩まされた。