大分の教員汚職事件で、採用や昇任の試験に絡んで現金と商品券の計610万円分のわいろを受け取ったとして、収賄罪に問われた県教育委員会義務教育課の元参事江藤勝由被告(53)の判決で、大分地裁(宮本孝文裁判長)は12日、懲役3年、執行猶予5年、追徴金610万円(求刑懲役3年、追徴金610万円)を言い渡した。
江藤被告は起訴事実を全面的に認め、検察側は論告で「組織ぐるみの不正が常態化していた」と事件を批判した上で「その重要な一端を担った被告の責任は重大だ」と指摘。弁護側は最終弁論で「長年の県教育界の口利き体質が判断を狂わせた。自らわいろは要求していない」と執行猶予付きの判決を求めていた。
論告によると、江藤被告は2006年から今年にかけて、元同課参事矢野哲郎被告(53)夫婦=贈賄罪で公判中=ら3人から子ども3人を採用試験で合格させた謝礼などとして現金300万円と商品券200万円分を収受、昇任試験でも元校長ら3人から商品券110万円分を受け取った。