【ワシントン11日共同】米内務省は11日、絶滅の危機にある生物の保護を検討する際、地球温暖化による悪影響は除外するとも受け取れるような法律の手続き規定変更を決定。環境保護団体は、ブッシュ政権が任期切れ間際に、環境規制を緩める方向で駆け込み改悪しようとしていると非難した。
米国では、絶滅危惧種に悪影響を与える恐れがある事業を行う際には、監督官庁が魚類野生生物局の専門家と事前に協議すると法律で定めている。内務省は「地球規模で進行していて影響の予測が確かでないもの、または影響が遠い将来に起こるもの」については協議は必要ないとした。
規定変更は30日後で、来年1月20日のオバマ次期米大統領の就任直前。次期政権が再変更することは可能だが、時間がかかるという。
環境保護団体の天然資源保護協会は「野生生物を保護する重要な法律が土壇場でゆがめられた。最後まで科学を拒絶する政権だ」と批判した。
内務省は今年5月、地球温暖化による北極海の氷の減少を理由にホッキョクグマを絶滅危惧種に指定すると発表。しかし、温暖化は世界的な取り組みが必要として、指定を理由にした自国だけの温暖化対策は取らないとしていた。