2008年12月11日(木) 13時25分
<衝撃・支持率急落>(上)耐えるしか… 首相、税制改正に「口出し」も反転の妙案なく(毎日新聞)
内閣支持率急落を受け、首相官邸が政権浮揚のメニュー探しに四苦八苦している。しかし、緊急性が求められる追加雇用対策の発表が中途半端に終わったほか、麻生太郎首相の指導力は税制改正や予算編成など山積する難題でもかすみがち。反転の妙案は見いだせず、首相周辺からは「今はひたすら耐えるだけ」との声も漏れる。
首相は10日、自民党が税制改正大綱を策定するのに先立ち、党本部に党税制調査会幹部を集め、基本的な方針を指示した。ただ、首相自ら党本部に入ること自体が異例。社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針を転換したい首相は「2200億円で頭を悩ませている」と下手に出るなど、実態は指示というよりお願いだった。
抑制方針の転換は野党なども強く求めており、国民的な支持を狙えると首相サイドは見ている。だが、転換に必要な安定財源の確保が必要で、首相が念頭に置くたばこ税の引き上げは党税調内で慎重論が根強い。首相が税制改正に口を挟むのは異例で「こんなことにいちいち口を出さないほうがいい」(税調幹部)との反発も出た。
追加雇用対策も支持率反転につなげる期待があったが、政府が関係閣僚会合の後に発表した一枚紙は具体策を示せず、焦る首相官邸の空回りぶりをかえって印象づけることにもなった。政府高官は「やろうとしていることはいろいろあるが、大々的に発表するようなものはない」と、政権が袋小路に入っていることを認める。【古本陽荘、三沢耕平】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000016-maiall-pol