京都市の新景観規制に合わないマンションを設計されたとして、同市中京区の建設会社が1級建築士に損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(橋本真一裁判官)は11日、請求通り建築士に約1500万円の支払いを命じた。
建築士は口頭弁論期日に出廷せず、答弁書なども提出しなかった。
判決によると、建設会社は2007年3月、同市東山区の五条坂近くに、地上4階、地下1階のマンションを計画。約5億6000万円で土地を買収した。この時期に京都市は建物の高さ規制などを盛り込んだ新景観規制の策定を進めていたが、建築士が建設可能と説明したため、建築設計契約を締結した。
ところが建設予定地はその後、新景観規制が定めた「歴史遺産型美観地区」と判明。屋根の形状や高さが指定されているため建設会社が問い合わせたが、建築士側は明確な説明をせず、08年3月になって不可能と回答。建設会社はいったん建設を中止せざるを得ず、金利負担などの損害が生じた。