神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地で昨年12月、停泊中の護衛艦「しらね」で起きた火災で、横浜地検は11日、捜査の結果、出火場所や原因が断定できず、容疑者が特定できなかったため立件を見送り、嫌疑不十分で不起訴処分としたと発表した。
防衛省の調査では、乗組員が無断で持ち込んだ「保冷温庫」の異常過熱が出火原因の可能性があるとされたが、原因は特定できなかったと結論付けた。海自横須賀地方警務隊は10月、失火容疑で被疑者不詳のまま書類送検していた。
地検は「保冷温庫付近が最も早く燃えだしたことが疑われる」と認定したが、「保冷温庫の損傷が激しく、出火原因であったか断定できず、出火場所も特定できない」と判断した。
火災は昨年12月14日夜、しらねの戦闘指揮所(CIC)などを焼き、乗組員4人が煙を吸い、手当てを受けた。